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ショパンが日本人になった?

 コドモのころ、最初に弾いた(弾かされた?)ショパンはご多分にもれず、ワルツでした。。
”何が楽しくてこんな音楽弾かなあかんのん?” (失礼・・・)
と、当時は思っていました。 ショパンのワルツよりもシューマンやチャイコフスキー、ドビュッシーの方がコドモ心にとっても、魅力的だったのです。
 結局、ショパンは嫌々やり バラード、エチュード、ポロネーズいずれも中途半端で終わり、”嫌い”意識が抜けませんでした。(但しポロネーズは、FMで聴いた エミール・ギレリスの英雄ポロネーズに惚れ込んでしまい、それだけは 頑張って練習したのです^^、) ことワルツに関しては、ヨハンシュトラウスのようなうきうきするようなワルツとも違って、ショパンのものは日本人の感覚からかけ離れた、”サロンの音楽”、という感じで 全く興味がそそられなかったのです。 
ショパンが日本人になった?_e0020110_065281.jpg
 それが 最近1枚のCDに出会い、ショパンの音楽の表現の巾の広さを感じるようになりました。ーーーーそのCDとは、遠藤郁子さんの”序破急”(VICC-168)です。
 遠藤郁子さんは北海道で育ち、東京芸大在学中1965年にショパンコンクールで、ポーランド評論家連盟から特別銀賞を受けられ、その後ポーランドに学ばれたあと帰国、演奏活動をされていましたが、1990年に乳癌を患われ、そのときの臨死体験、手術を経て、再び演奏活動に戻ってこられた方です。”臨死体験”ー魂が肉体から離れて違った時空?に遊離し、またもとの肉体に戻る、ということでしょうか。。遊離したときに 人によって、過去をみたり、未来をみたり、また 神々しいヒカリに包まれたり、といろいろなことを体験するらしいのですが、それを経て戻ってきたときに ニンゲンは考え方が変わるようです。彼女はそれから、本場仕込みの弾き方、ではなくて、自分自身の魂からの音色でショパンを弾くようになったといいます。。(術後は和服でステージに立たれるようになった) このCDを聴いていると、ショパンが自国ポーランドの民の哀しみを歌うのと同じく、遠藤さんの魂から語りかけるような響きに胸が打たれます。 (ワタシは特に、ノクターン第13番OP.48-1 では、背後に哀しい哀しい軍歌が聴こえてくるような錯覚に駆られます。(←ここで述べる”軍歌”、については又の機会に・・・))
  ショパンは 弾く人によって、こんなにいろいろな色を持つのですね。 十人十色ならぬ、十ショパン。。^^。 遠藤さんのショパンを聴いていると、この瞬間は まさにショパンが日本人になった?、という感じがするのです。

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by curzon-schubert | 2005-07-09 02:29 | CD/LP
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