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祇園“恋し”・・

ふくすけです。。。ブログ更新、すっかり久しぶりになってしまいました。
ここのところ、本業のほうでちょっと帰宅が遅くなったり、発表があったりと手がいっぱいで、ピアノも触れませんでした(ちょっと夏ばて気味・・)というわけで、今日はピアノとは離れてワタシの 夏の“とっておき”についてご紹介しましょう。。

 今の本業は “実験”です。といっても、とある研究室でお世話になっています。
これまで勤めていたところとは全く新しい分野のことをさせて頂くことになり(というか、研究室の方々にはまるっきり青天の霹靂の、お騒がせの押しかけ入門でした;;スミマセン・・)本当にお世話になっています。。。これまでの職場では少々”薹(とう)が立つ”ような中堅どころの立場からここではゼロからの出発で、しかも”他人の釜の飯“で修業、ということでホントウに得がたい経験をさせていただいてます。。(m(- -)m) 全く、”他人の釜の飯“ほど、自分自身も違った観点から見つめ直すことができて、ありがたいことはありません。

というわけで、押しかけ修業をさせて頂いているのは 京都、でございます。盆地である京都の夏は 全くサウナ状態で、毎日うだっているわけですが、こんな夏になるととかく恋しくなるのが かき氷です。いろんなかき氷を食べてきましたが、一押しは祇園の石段下近くの、”祇園小石(こいし)”さんの氷です。

祇園“恋し”・・_e0020110_1292629.jpg←何の変哲もない、黒糖ミルク氷のようですが・・・
祇園“恋し”・・_e0020110_1285186.jpg
       中には餡みつが入ってます^^↑

祇園“恋し”・・_e0020110_1294895.jpg      舞妓はんのお稽古がえり、甘夏味~→

ここの氷の特筆は、なんといっても、“粉雪”状であること!!口の中でふんわりさらさらとやわらかく溶けていくさまは、まさに夏ならではの贅沢です・・。ワタシは並ばないでいい時間帯を見計らって、ほとんど“ゲリラ”的に食べに行ってます^^。(お店の方によると、平日の午前中か、13:30くらいまでが割とすいている、らしい・・)オススメはスダチのはいった“舞妓はんのお稽古がえり”と、かき氷のなかに中に餡みつがはいった“わがまま氷”です。お店のHPもあります。京都にお越しの際は是非、おためしやす。

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# by curzon-schubert | 2005-08-04 01:43 | about myself

ヒミツ”兵器”?!

今 グリーグの“ホルベアの時代から”を練習しています。

 この曲は 管弦楽で聴いて、惹かれて練習し始めました。5つの小品からなり、表情も豊かで、弾いても聴いても楽しめる曲です。しかしながら・・・。しょっぱなの前奏曲の、右手、これが分散和音になっているのですが(グリーグは ピアノ版では、管弦楽のときより速度を早く指定している)どうも粒がそろわないのです。ブランクが長かった哀しさなのですが、前腕や上腕の筋肉は結構保たれているものの、指そのものの筋肉はかなり落ちていて、右手でも4の指(薬指)が弱いんです。。それも 鍵盤の位置によってマシに聴こえるときや、まるっきりギクシャクするときもあります。キレイに弾かないと“ガチャガチャ”して聴こえてしまいます。。ピアノ専攻の友人にずばっと指摘され、それ以降メトロノームをかけて、ゆっくり弾いたり、少し速く弾いたり、はたまた両手とも同じ分散和音を弾いたり、などなどバリエーションを変えつつ楽しんでいます。。ヒミツ”兵器”?!_e0020110_1101753.jpg

 以前より、“フィンガーウェィツ”(指にはめる指輪状のシリコン+錘)に興味をもっていたのですが、新製品に切り替え中とのことで入手できませんでした。。先日楽譜屋さんに寄ったところ、エレガントに見えた旧製品とはうって変わった、どエラく無骨な黒い装具!!が入荷していました。各指に、弾丸状!の錘(1個10g)を3個まで装填!?できます。一瞬絶句したのですが・・。いかにも訓練具、って感じで殺風景だし、コドモなら泣き出すんでは?と思いましたが、ものは考えようで、ヘビメタ・パンク系なら 全然イケてるかもしれません^^;;。。。それに旧製品より錘も倍の重さにパワーアップしてるし。。。悩んだ末、購入しました。。アマチュアの泣き所ですが練習時間も充分に取れるわけではなく、“邪道~?”と思われる向きもあるかもしれませんが、モノはためし、これもつけたりして、練習しています。
 しかしながら、ローマは一日にして成らず、筋肉も一日にして成らず、です。過度の負荷を長時間つづけることは百害あって一利もありませんし、また、筋肉だけついても、緊張と弛緩のコントロール、といったバランスまで解決できるわけではありません。ワタシのような中級段階のアマチュアにとっては、あせらず、日々ヒマを見つけて練習を心がけるのみです。

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# by curzon-schubert | 2005-07-28 01:06 | 練習

カーゾンの楽譜

 CDの演奏を聴いているとピアニストには、聴き手の空気を感じとりながら演奏しているように思われるピアニストと、一方、自分自身や作曲者と対峙しながら演奏する内省的なピアニストがいると感じることがあります。聴衆にとっては、内省的なピアニストであっても演奏に共感すれば距離は縮まって一体になることができます。

 最近読んだ本ですが、心で弾くピアノ~音楽による自己表現~(音楽之友社刊) 作曲家、ピアニスト、教育者でもあるセイモア・バーンスタインの著作の訳本で、ピアノについての学習法、演奏法、心構えにいたるまで書かれています。佐藤寛・大津洋子両氏による訳文がすばらしく、翻訳調ではなく、こなれた日本語に訳されています。ひとつ特筆すべきことは、著者は、アマチュアピアニストも多くお弟子さんに持っておられるようで、読者としてはプロのピアニストを目指す人だけではなくアマチュアの演奏家も対象にいれて実例も取り混ぜながら書かれていることです。ワタシのように専門的な学習が全く抜けてしまって再開したようなニンゲンには 本当に一つ一つのアドバイスが“ほ~”という感じで新鮮です(専門的な勉強をされた方に当然のことばかりかもしれませんが)。さらにワタシにとって嬉しかったのは、カーゾンにも師事されていたので、サー・クリフォード・カーゾンについてのエピソードがちょこちょこと出てくることでした。

 カーゾンの楽譜_e0020110_19335285.jpgカーゾンは 冒頭の2タイプのピアニストでは、典型的な後者のタイプだと思います。
カーゾンは 弟子に “作曲家を愛することは 重大な責任を負うことであり、演奏を通してこの愛情を他の人に返すには、熱心に練習するしかない” この言葉をうけて、セイモア・バーンスタインも “アマチュアでも、プロであっても、曲を演奏会で弾くレベルに達するまでの、時間のかかり方は個々の演奏の質に何も関係がなく、最も重要なのは、出来るだけ責任を持って音楽に使えるために 練習を必要なだけ一所懸命することである” と書いています。この本には、カーゾンが使用した、ベートーベンのピアノ協奏曲第4番のスコアの写真も載せられていますが、それは書き込みで埋められています。
 この楽譜をみて思い出したのは、カーゾンに師事したピアニストであるクレイグ・シェパードが、自分のHPで師についての思い出を述べたエピソードでした。 カーゾンは強迫観念にとりつかれたかのように細かいところまで譜読みするのに大半の時間を使ったと書き、あるレッスンでは ずっと、シューベルトの即興曲の最初の8小節の1つ1つの音符のコードの関係を分析していたので 30分たったところで “先に進んでくださいませんか?” と懇願した、というエピソードです。ちょっと笑ってしまいますが^^、いかにもカーゾンの音楽に対する真摯な姿勢をよく表しています。カーゾンは、録音はDECCAやBBCの音源にいくつも残していますが、まだ 映像にはお目にかかったことがありません。。。7月末にはピアノ五重奏曲のDVDが発売されるようで、楽しみにしています。

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# by curzon-schubert | 2005-07-24 19:29 | 音楽つれづれ

楽な姿勢で

最近ピアノ奏法に関する本をいくつか読みました。
1つは故・井上直幸先生の書かれた”ピアノ奏法”(春秋社刊)、井上先生は、70年代後半に教育テレビの”ピアノのおけいこ”の講師として出演しておられ(とはいえ、このころの記憶は定かではありませんが・・・)ワタシたちの世代には懐かしいです。この本は春秋社の編集者の方との対話形式で平易な文章でまとめられています。
譜読みによる曲想の解釈、楽譜の選び方、ペダルの使い方などいろいろな勘所がつづられており、非常に実践的で興味深く読みました。
そこで、読み進むうちに・・ “あ~” と思い出したのが、上半身の重みや、全身の重みをつかって打鍵する、という記載です。イスから少しカラダを浮かせて、全身の重みをかけて打鍵し、フォルテッシモを表現する、これによって厚みのある音が出る、ということです。ワタシが子供の頃ついていた先生も、この井上先生と同じスタイルで、カラダ全体で音の強さを表現するような感じでした。子供のころはワタシも、ベートーベンとか弾くときに先生を真似てこんな感じで弾いていたような気もしますが、“井上先生の本来の意図”からは離れてワタシの場合、“スポーツ入ってル?” 感じで、腕っ節ばかり太くなっていったような気がします。コドモ心に、完全に鍵盤は叩くと誤解してしまい、レガート奏法とは両立できませんでした(それに気づいたのも今ですが・・)。
楽な姿勢で_e0020110_2373025.jpg
 次は、田村安佐子先生の書かれた“ピアニストへの基礎”(筑摩書房刊)です。田村先生はパリに留学され、コルトーの“秘蔵弟子”であったマグダ・タリアフェッロ女史の晩年に指導をうけられました。この本には,すばらしい教育者でもあったタリアフェッロ女史のメソッドについて書かれています。タリアフェッロ女史のメソッドでは背筋は伸ばして、自由に動かすのは腕と手のみです。また腕の力をぬき、関節をしなやかにするのが自由な表現のためには重要であり、ピアノに座る前の全身の柔軟体操の方法もこの本には書かれています。余分なエネルギーは使わないために、タリアフェロ女史は90歳近くになってもリサイタルをこなし、また彼女のお弟子さんも日に2ステージをこなしても疲れなかったといいます。実は今、ワタシがご指導頂いている先生もタリアフェロ女史のスタイルに近いのです。まだ、レッスンを受けさせていただくようになって2回しか経ちませんが、初めてのレッスンのあとで、つくづく感じたのは “ピアノを弾くって、こんなに楽なことだったのだ~” ということでした。それまでピアノを弾くと どっと消耗していました。きっと余分なエネルギーを体に使いすぎていたのだと気づいたのです。おまけにワタシは2回の交通事故によるムチ打ちで、頚椎と腰椎がゆがんでいますので余計に負担になっていたのでしょう。
ピアノをライフワーク、と考えるからには 各々が自分のカラダと相談して無理のない姿勢で弾くことが、長く演奏生活を続けていくのに大事だと思います。


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# by curzon-schubert | 2005-07-21 23:12 | 練習

弾く とは 聴く なり

昨日は仲間内の発表会がありました。

会場は ピアノのショウルームのなかのサロンの一室です。
縦長の25畳の音楽室に、225cmと214cmのグランドが2台並列に置かれており、
少し離して、聴き手の席(折りたたみイス)が30席ほど4列に分けて置かれています。
これで、一杯です。ソロのピアノの場合は蓋をほぼ全開で、手前のほうの214cmのピアノで弾きますから、客席との距離は更に近くなります。。

 ワタシはマンション住まいで、普段サイレントユニット(サンプリングした音)付きアップライトピアノで、ヘッドホンを付けて弾いています。結構、練習したつもりだったのですが。。。2日前に丁度同じショウルームの別の部屋で コンサートピアニストで教育者でもある、敬愛する先生の月1回の個人レッスンがありました。先生のメソッドは 何よりも”響き”を大事にされます。
ピアノは”弾く”ものではなくて、”聴く”ものであり、鍵盤においた指は瞬間に腕からチカラを抜きます。そうしないと鍵盤からハンマーを通して弦につたわった振動が 緊張した指で止まってしまうから・・・。すなわち、ピアノと 演奏者の体は一体となって、さらにその空間も一体となって 響きが立ち上っていく、それを演奏者も”なんて、キレイな響きなんだろう・・・”と聴く・・。それを常に頭に置いて、響きをつくるのです。確か、1ケ月前に教えていただいて少しはわかった気になったはず(??)だったのに、消音ユニットの音(サンプリングの音)に慣れてしまったこの1ケ月で、またホンマモンのピアノの ”鍵盤にふれる”→”響きが出る” の呼応関係が自分の中で、全く狂ってしまっていました。 耳が”音”に慣れ、”空間に立ち上る音が聴き取れる”の状態にもどるのに最初の20分ほどはかかりました。響きに”音酔い”してしまったのと、ヘッドホンで弾く限界を感じ空しくなったのとで、意気消沈してその日は帰宅しました。弾く とは 聴く なり_e0020110_11374457.jpg

 結局 発表会当日には同じサロンの空いていた部屋をお借りして”朝練!”して、午後からの本番に臨みました。緊張して、ペダルのコントロールが甘く濁ってしまった部分もあり、自分では70点の出来でしたが、とりあえず、”耳がアコースティックなピアノの響きに慣れた”状態で ある程度の響きを意識しながら演奏できた分、なんとか”自分的”に60点はクリアしたかなと思いました(朝練、しといてよかった!)

 その会は、皆さんピアノが大好きで、曲目もかなり難曲がならんでおり(ワタシは除いて^^)全部聴かせて頂くだけでも充分勉強になりました。自分にとっては”人前で弾く”のと”空間での音の響きに慣れる”だけで今回は精一杯だったのですが、他の方の演奏を聴いていると、”響き”、”音楽の流れ”、”ペダルの使い方(曲想と合うか、音は濁らないか)”、”指に恣意的なチカラが加わりすぎていることで響きが停まっていないか、心地よい響きになっているか否か”等々、気づかされることは多かったです。実際、奏者に聴こえている”音”と、蓋の開いた方向から聴いている”聴衆へ届く音”とはまた違うんですね。。このような狭い空間ですと、心地よい音か否かは実に正直に現れてきます。

住宅事情、その他でやむないことは多いのですが、ピアノを弾く上で”空間”+”響き”は切り離せないものだと実感しました。今後も出来るだけ、スタジオとかでの練習もいれて、”なまおと”を聴くようにしないといけません。。。先生のいわれる、”立ち上る響きを、聴衆と一緒に なんて素敵な響きなんだろう”と聴きながら演奏する、これが大きな道しるべとなることを実感させられました。

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# by curzon-schubert | 2005-07-18 11:48 | 演奏会